2004年夏
アメリカ東海岸・ニューヨークのマンハッタンに住むことになりました。
当時、スーパーマーケットで売られていた野菜は、カリフォルニアなど西海岸から長距離・長時間をかけて運んできた鮮度の悪いものばかり。日本で通常手にするような、シャキッとした葉物や、ピチピチの根菜を探し出すことは困難でした。
2004年秋
そんな生活の中、娘の現地校での通学がスタート。秋最初の行事はハロウィーン。学校でカボチャの絵を描く機会があったようです。
「こっちの子供はいろんなパンプキンの絵を描けるよ。私は1つしか描けなかった、、」と、どこか悔しそうに娘から告げられました。
それはつまりこういうことだったようです。アメリカの子供たちは大小、丸い長細い、緑やオレンジ、白やストライプ柄など様々なパンプキンの絵を描いたのに、娘は丸い濃緑色で中がオレンジの、よく煮物に使うカボチャしか描けなかったと言うのです。
それならば、種類豊富で新鮮な野菜が売られている場所はないのか、そこへ行ってパンプキンを見てみよう!ということに。
調べてみると、マンハッタンの街中の複数の場所で、週に何度かNY近郊の農家さん達が野菜を売りに来て定期市を開催していることを知りました。そこはファーマーズマーケット、グリーンマーケットと呼ばれていました。我が家から数ブロック先にも、毎週金曜日開催されるグリーンマーケットがありました。
早速行ってみると、ありました、ありました!たくさんのパンプキン。娘は興味津々、大興奮の様子でした。
そして、興味津々になったのは娘以上にこの私。新鮮な野菜が売られているばかりでなく、今まで見たこともない、もちろん食べたこともない、ものすごい形や色の野菜が多々あることにびっくり仰天!!
それから毎週のようにいろいろな場所で開催されるファーマーズマーケットやグリーンマーケットに通った結果、野菜というものに対する私の概念が完璧に打ち砕かれていったのでした。日本の野菜だけを見てきた私、野菜のごく一部、なんと狭い世界しか知らなかったのでしょうか!
2004年冬
私の中で野菜ダイバーシティ爆発!
世界の野菜をもっと深く知りたい、勉強したいと思うようになりました。
大学は理学部を卒業した私、小さな頃から自然科学系分野に興味がありました。ニューヨークに住む10日前まで、理系企業の総合職としてあくせく働いていました。ニューヨークでは、自分の好きな分野をのんびり勉強したいなと思っていた矢先のこと。
2005年春
ニューヨークボタニカルガーデン(NYBG)にある、ガーデニングサーティフィケートコースに入学を決めました。
土壌科学や病害虫、繁殖方法(種まきや挿し木など)、肥料や農薬、有機農法、農機具の使い方、菜園デザインなどなど、野菜づくりに必要となるありとあらゆる知識を学びました。
身についているかどうかはともかくとして、、とにかくよく勉強したなぁという思い出はあります。
私の取得したコースはガーデニング。コースを修了するためには、花栽培やハーブ栽培、ハーブガーデンの歴史、景観やガーデン設計、ブルーベリーやブドウなど果樹の剪定、公園樹木、コンテナガーデンや屋上ガーデンについてまでも学ぶ必要がありました。しかもたくさんの課題や発表、テストがあり、、、私にとってそれはそれは大変なものでした。
2007年初夏
それでもどうにかこうにか、コースを修了することができました。
2007年夏~
その後、イタリアやフランスの野菜種子を販売する日本の会社2社に、計15年弱勤務。
今とは違い、この頃はまだ西洋野菜を栽培する生産者さんは極々わずか。フェンネルやチコリーの種子は在庫を抱えてしまいました。
出張でイタリアやフランスなどヨーロッパ各地を訪ね、たくさんのヨーロッパ野菜を見て、日本の生産者さんに、サボイキャベツやアーティチョーク、チーマ・ディ・ラーパ、セルリアック、ルタバガ、パースニップ、アグレッティなどの種子をいち早く紹介させていただきました。
おかげで、人生のお手本となるたくさんの素晴らしい生産者さんたちと出会うことができました!!
2022年末
みらいのたねEnYuKanを起業しました。