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日本で育つのか

はなしのたね2023.03.15

西洋野菜の種子販売に携わって15年ほどが経過します。今では若手生産者さんたちは当然のごとく、スイスチャードやカーボロネロ、パースニップ、コールラビ、ラディッキオ、セルリアックなどを栽培品目の中に入れてくれています。

しかし当時は、「こんな野菜が果たして日本で育つのか」「日本で栽培試験もせずに大丈夫か」というメールや電話を数多く受け、その対応で日々の仕事が終わっていたというような記憶があります。

一方で、そんな既成概念なく「面白い、育ててみよう!」と旺盛に連絡くださった生産者さんが長崎、佐賀、岡山、富山、長野、千葉、福島、岩手、青森、旭川などにおりました。南から北まで全国各地、気候帯もさまざま。

種も、播かれた地に根ざそうとする。生産者さんも、見知らぬ野菜を大事に大事に育ててくださった。

気候帯もさまざまなアメリカで、私はいろいろな国の野菜を見てきました。これって、アメリカに渡ったヨーロッパやメキシコ、中国などいろいろな国からの移住者が、母国の野菜を食べたいとその一心で、母国の品種を栽培したことがきっかけだったに違いない。気候がどうだ、この地では栽培が難しい、などそんなことは考えていなかったはず。私はそう思っていました。

中にはその地、その畑ではなかなか生育が難しいもの、とても良く育つものが出てきました。その時の生産者さんたちは、いろいろな品目に挑戦し、何作も何作も試行錯誤しながら、栽培方法を見出してくださいました。そういう生産者さんの努力のおかげで、今こうして若手生産者さん達が、大きな抵抗なく西洋野菜の種子を播き、栽培しているのだと思っています。

何か新しいことに取り組む時、既成概念に捉われない。まずは始めてみることが大事。やりながら、その都度見直しすればいい。私が生産者さんを通して学んだことの一つです。